大手石油会社ガスプロムネフチ(旧シブネフチ)が露英石油会社TNK-BPに対して子会社のウドムルトネフチ(Udmurtneft)の買収価格を提示していることが明らかになった。
ガスプロムネフチからの買収オファーは25億ドルとなっているが、希望買収額を下回っていることで、最終的には価格の上積みがなされると見られている。
連邦反独占サービスでは今件に関し、早々にOMV、MOL、Perenco、KazMunaiGaz、United Oil Group、RussNeft、ガスプロムネフチ、アライアンス、OVIT各社に対しウドムルトネフチ買収の許可を表明しており、その他にも露Itera-印ONGCおよび露ロスネフチ-中シノペックによるコンソーシアムにも買収のチャンスが残っている。
ガスプロムネフチの他にもガスプロム自身も買収提案を出しているが、同じく買収価格を低く見積もっており、まだまだ最終的にどの企業が同社を買収するかは時間がかかると見られている。
ウドムルトネフチでは30億ドルが最低ラインとして買収金額の引き上げを買収提案先に通知している模様。この金額にはロスネフチ-シノペック連合が約35億ドルの買収提案を出しており、Itera-ONGCでも40億ドルで買収額を提示している。
金額だけを見るとコンソーシアムが単独提案する他社より魅力的ではあるが、ロシア政府が最終的にはロシア企業にのみ買収を許可するものと見られることから、TNK-BPでは結局のところガスプロムもしくはガスプロムネフチの提案を呑む可能性が高いと考えられている。
ウドムルトネフチはウドムルティア最大の石油会社で、昨年度の石油産出高は590万トンに及んでいる。